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本学修了生と教員の共著論文が国際科学雑誌に掲載されました

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 ヘルスイノベーション研究科(SHI)修了生の松木大造さんと中村翔准教授、修了生の西山未南さん、成松宏人教授の共著論文「Holistic Evaluation of the Gut Microbiota through Data Envelopment Analysis: A Cross-Sectional Study」が、国際科学雑誌「Current Developments in Nutrition」に公開されました。

 

(公開された論文)

https://doi.org/10.1016/j.cdnut.2024.104469

 

研究の概要

 本研究は、神奈川県みらい未病コホート研究の577名の参加者を対象に、生活習慣因子と腸内細菌叢の関係を、包絡分析法(DEA)を用いて評価しました。

 DEAを用いて各参加者の効率性スコアを算出しました。効率性スコアとは、生活習慣(インプット)を基にどれくらい良好な腸内環境(細菌叢の組成)(アウトプット)を効率的に獲得しているかを反映するスコアで、0から1の値を取ります。効率性スコアの平均値は0.86で、14.2%の参加者が最も効率的と評価される効率性スコアが1.0と評価されました。

 分析の結果、効率性スコアと性別、脂肪摂取量、ヨーグルト摂取頻度との関連が明らかになりました。DEAの解析結果を用いて、効率性スコアが1点ではない個人が、より良い腸内環境を獲得するために具体的に増やす必要がある各個人に最適な細菌の目標値を可視化することができました。

 

 (包絡分析法(DEA :Data Envelopment Analysis)について)

 DEA は、企業や事業体の生産性や効率性を評価?比較する際に広く用いられる手法で、高血圧、肥満、脂質異常症などの病気になりやすい方の発見に応用できる可能性が報告されていました。今回、DEA を市町村が実施する特定健診に組み合わせることができる形で応用し、 山形県高畠町と共同で介入研究を実施しました。

 

中村准教授から論文公開にあたってのコメント

 本研究は、近年明らかになりつつある腸内細菌と健康との関連を、DEAというオペレーションズリサーチの分析手法を応用して、新しい視点で解析を試みた意欲的な研究です。本研究の結果を応用し、プロバイオティクスやプレバイオティクスの摂取などの介入を行う将来の研究への発展が期待され、このような研究は今後の公衆衛生施策へ貢献することが期待されます。

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