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戻る本学学生と教授の共著論文「日本の特定難病患者における確定診断の遅れに伴う課題: 横断的研究」が国際専門ジャーナルに公開
戻るヘルスイノベーション研究科 (SHI)博士課程2年の田中弘之さんと島岡未来子教授の共著論文「日本の特定難病患者における確定診断の遅れに伴う課題: 横断的研究」が、希少疾患の国際専門ジャーナルであるIntractable & Rare Diseases researchに公開されました。
公開された論文は、下記リンクからご覧ください。
発表論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/irdr/advpub/0/advpub_2023.01068/_article
研究の概要
難病指定されている12の特定疾患を持つ424例の患者を対象に確定診断の遅れに伴う課題について横断的な調査を実施しました。
患者が最初に医療機関を受診するまでに長い時間を要している理由として、患者の時間的な制約と医療機関へのアクセスの問題が76%と大部分を占めました。また、医療機関の受診に抵抗感を持っている患者が11.1%ありました。
自身の疾患をかなり以前から疑っていたのにも関わらず、確定診断を受けるまでに長い時間を要している理由として、医療施設や医療体制の問題指摘が抽出され、その割合は74.2%と最多でした。
以上より、難病患者の早期確定診断を実現するためには、医療施設や医療体制の整備を進めることと併せて、患者に対して受診への強い動機付けを行うことが重要であると考えられます。この動機付けとは、単に受診を促す取り組みだけでなく、患者やその家族が最新の情報を獲得できる環境整備、さらには、社会全体が難病患者を受け入れる体制を構築していくことが重要であると考えられます。
本研究の結果は、難病患者の早期確定診断を実現するために、医学的な重要な知見を与えるものです。
島岡教授から論文公開にあたってのコメント
「難病指定の確定診断の遅れがなぜ生じるか」は、患者、医療機関らにとって極めて重要な課題です。この課題に取り組むため、本研究では、患者側からの視点から調査を実施しました。課題解決に向けて、研究結果が有意義な示唆となることを期待しています。