栄養領域 飯田綾香
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本研究室では、食育?食教育研究と栄養生理学的研究を中心に研究を展開しており、現在、博士前期課程1名、学部4年生3名、3年生が2名在籍しています。それぞれ食育?食教育研究と栄養生理学的研究のいずれか興味のある分野に分かれて研究に取り組んでいます。
食育?食教育研究では、ある栄養教育プログラムが児童生徒にどのような影響?効果をもたらすかというより、栄養教諭といった管理栄養士の食育推進という観点から、学校においてどのような食育や栄養管理等を推進しているのか、推進していくべきなのかという研究を行っています。
栄養生理学的研究では、特に肝疾患の病態下における栄養療法に関する基礎的研究を病態モデル動物を用いて実施しています。
研究テーマ
1 特別支援教育における栄養管理に関する研究
障害児の栄養?健康面におけるケアは、障害種やその程度など個別性が高く、障害特性に応じた多岐にわたる配慮が必要です。障害児の「肥満」は生活習慣病、「やせ」は発育?発達障害のリスクを上げ、その後の成長や健康状態、生活に大きく影響することから、障害児一人一人に適切な栄養ケアを提供する体制整備が急務となっています。そこで、本研究では特別支援学校に着目し、栄養教諭を中核とした障害児の栄養ケア体制の構築をテーマに研究を推進しています。
現在、全国の特別支援学校における児童生徒の肥満、やせ、摂食嚥下障害を有する状況、栄養教諭?学校栄養職員が栄養管理をどのように進めているか等の実態を詳細に検討しているところです。
飯田他.特別支援学校における児童生徒の栄養管理の実態に関する検討.第70回日本栄養改善学会学術総会,2024;飯田他.特別支援学校における児童生徒の摂食嚥下機能障害の実態.第12回日本食育学会総会,2024;飯田他.特別支援学校における栄養ケア体制構築に向けた肥満とやせの現状及び課題.第78回日本栄養?食糧学会大会,2024
2 NAFLD?MASLDの栄養療法に関する基礎的研究
非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)とは、メタボリックシンドロームの肝臓での表現型とされる、アルコールやウイルスが原因でない慢性肝疾患であり、肝炎(NASH)から肝硬変?肝がんといった重症肝疾患まで進行してしまう可能性があります。これまで、私たちは病態モデル動物を用い、アミノ酸代謝異常やディスバイオシス(腸内細菌叢のバランス破綻)などの病態に関する研究、予防に有効な栄養素(アミノ酸[BCAA]、希少糖[D-アロース]、食物繊維[water soluble cellulose acetate:WSCA])や運動に関する探索研究を行ってきました。最近では、MAFLD(Metabolic dysfunction associated steatotic liver disease)という病名に変更され、代謝異常の面から重点的に研究を展開しているところです。
飯田他.Water soluble cellulose acetate摂取はNAFLD/NASH病態モデルマウスの腸内細菌叢を正常域に復し病態を改善する.機能性食品と薬理栄養14,73-81,2020;Iida et al., Analysis of amino acid profiles of blood over time and biomarkers associated with non-alcoholic steatohepatitis in STAM mice. Exp Anim 68(4), 417-428, 2019;飯田他.分岐差アミノ酸投与がNAFLD/NASH病態モデルマウスの肝脂肪蓄積に及ぼす影響.機能性食品と薬理栄養12,243-250,2019
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