「Library Letter」は、図書室からの情報発信を目的に、教員や司書からのおすすめ本や調べ物に役立つミニ情報などを紹介します。
所蔵している資料については、OPACへのリンクを表示します。附属図書館で所蔵している資料は、取り寄せが可能です。
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戻るLibrary Letter 2023/09 (Vol.3)
戻る令和5年8月に、司書が読んだ本
『実践医療現場の行動経済学:すれ違いの解消法』大竹文雄?平井啓編著 東洋経済新報社 2022年
行動経済学を学んだあとに、医療現場に引き付けて理解を深めるのに役立ちそうな本です。
この本では、感染症対策としての手指消毒であったり、アドバンス?ケア?プランニングであったり、章ごとに具体的なシチュエーションにおける働きかけについて、行動経済学的に見ていきます。【司書:山本】
『無人島のふたり:120日以上生きなくちゃ日記』山本文緒著 新潮社 2022年
突然すい臓がんで予後半年と告げられた、小説家の山本文緒さんの闘病日記です。旦那様や医療関係者のサポートの元、痛みと闘いながら執筆したり人と会ったり日々を過ごしていく様子が記されています。山本さんが弱音や恨みを吐きながらもずっと屹然とされていて、とても強い方だと思いました。【司書:山本】
『シンクロと自由』村瀬孝生著 医学書院 2022年
特別養護老人ホームの施設長が、お年寄りとの“シンクロ”体験を哲学的に言語化。タイミングが合わないことから始まる、他者との関わりの不思議さと「自由」を疑似体験できます。「明日からの介護にすぐ役立つことはありません」と著者は書いてはいますが、大変示唆に富んだ1冊です。【司書:相原】
『「利他」とは何か(集英社新書)』伊藤亜紗編 集英社 2021年
伊藤亜紗(美学者)、中島岳志(政治学者)、若松英輔(批評家?随筆家)、國分巧一郎(哲学者)、磯﨑憲一郎(小説家)による、「利他」をキーワードにした論考集。利他行為の危うさにも鋭く切り込んでいます。「予想外の生成を楽しむ」という考えの大切さに気づかされました。【司書:相原】
『統合失調症になった話:※理解ある彼君はいません』ズミクニ著 KADOKAWA 2023年
措置入院から社会復帰までを描いたコミックエッセイです。措置入院にいたる経緯や制度、福祉の重要性、統合失調症の早期治療の大切さなどが、わかりやすく描かれています。
そして、「推し」の存在。心の支えとなる「推し」が、自分にはあるかを考えさせられました。【司書:松下】
『ACP入門:人生会議の始め方ガイド』西川満則?大城京子著 日経BP 2020年
医師とケアマネジャーがACP(人生会議)について書いた導入書です。「理論編」と「実践編」に分けて解説しています。
コミュニケーションの基本スキル「反復」と「沈黙」。実践編は事例だけでなく、この「反復」と「沈黙」の対話例が印象的でした。【司書:松下】