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戻る第22回日本生殖看護学会学術集会にて、働く女性の健康プロジェクトの成果を報告
戻る働く女性健康プロジェクトの吉田穂波教授が、去る9月22日、第22回日本生殖看護学会学術集会ランチョンセミナーにて、「働く女性の健康課題における大規模調査を踏まえた支援~オンラインサポートを通じて民間企業と看護をつなぐ~」と題し、本研究プロジェクトの成果を報告しました。幅広い看護師の皆様に、本プロジェクトの取り組みを知っていただける貴重な機会となりました。
背景:男女の格差なく働く世になり久しく、柔軟な働き方も普及し、今や女性が様々なライフイベントを迎えても働き続けることとなりました。M字カーブは解消、共働き家庭が専業主婦家庭の2倍近くとなった昨今、果たして女性は「いきいきと」働けているのか、現場で働く女性就労者の声を可視化し、課題や解決策を探ります。
概要:三菱地所株式会社が実施している「まるのうち保健室」における大規模調査「働く女性健康スコア」には業種の異なる20 社が参画し、女性3,907 名?男性380名が参加しました。参加者の皆様には「健康課題」「ヘルスリテラシー」「セルフケア」「就労環境」「生活習慣」「メンタルヘルス」「制度利用」に関するアンケートに応えていただきました。
結果:調査で最も注目すべきは『女性特有の症状が仕事に影響している』と答えた女性が全体の88%もいたことです。40代以上の3人に1人は月経関連の症状や更年期症状に悩み、症状を自覚していたとしても約3割の女性しか適切な対処行動を起こしていないことが明らかになり、女性特有の健康症状が仕事に影響を与えているという結果となりました。
女性特有の症状があるにもかかわらず婦人科を受診する人が全体の約3割にとどまる一方で、そのうち4人に一人は子宮筋腫などの所見が見つかりました。早めに婦人科を受診すれば症状を改善する方法があるという知識啓発の重要性や、受診を阻む背景として考えられる、受診?検査への不安や自身の健康状態を直視できない働き方などの課題を解決する必要がありそうです。この結果を受け、「まるのうち保健室」ではオンラインセミナーやzoomカウンセリングなどを実施し、働く女性のみならず支える立場の周囲の人たちに向けてもヘルスリテラシーの状況に寄与するコンテンツを提供しています。
本セミナーでは日々の臨床において、患者理解に役立てていただけるよう、「働く女性健康スコア」の研究結果より、働く女性たちの挙児希望と不妊治療の実態や就労環境、仕事と治療の両立に役立ちそうなヒントについて報告しました。
今後とも、働く女性の健康推進に関する調査結果から得られた知見を踏まえ、当事者の健康支援や就労環境の改善のため、医療看護専門家と知見を共有しながら研究活動を推進していきます。
謝辞:
学術集会長 群馬大学 林はるみ先生
座長 東京医科歯科大学病院、不妊症看護認定看護師 有川淑恵先生
主催 株式会社ファミワン 石川勇介様、松本彩乃様
「働く女性 健康スコア」全体企画?調査設計:三菱地所株式会社様、株式会社ファムメディコ様(三菱地所様:廣田紋子様、井上友美様、嶋田瑞穂様、橋本沙知様、ファムメディコ様:安西智美様、日高優海様、田口元輝様、秋元彩乃様)
調査にご参加くださいました全ての方々に深謝いたします。